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2004/02/01


ハーレム mini ジャーナル
-2004年1月-

1/3
アメリカでは大晦日は大騒ぎだけど、元旦は前夜の飲み過ぎによる二日酔いを癒す日で、二日にいたってはまるで平日。皆いつものように、ごく当たり前にストリートでハングアウトしてるだけ。そして今は三日の夜で、表で誰かがアフリカンドラムの練習をしている。平和です。今年もよろしくお願いします from ハーレム。



1/7
アパートの地階にあるコインランドリーに行ったら、若い南米系女性と黒人白人ミックスの赤ちゃん、白人のおばあさんがいた。つまり、ここに黒人と白人のカップル+赤ちゃんが暮らしていて、母親は働いているしリッチだからナニー(乳母)を雇っていて、今は白人のおばあさんが遊びにきている、という図。これもハーレム。



1/10
ニューヨークに大寒波襲来。今日は終日ー10℃。深夜から明朝にかけてはー15℃の予報。観光客のみなさん、いったい何処で何をして時間を消化していらっしゃるのでしょうか。本当にお気の毒さまです。ニューヨーク観光局は今「Cool New York 2004」っていうキャンペーンやってるけど、シャレになってませんね。



1/12
ダウンタウンからハーレムに向かう地下鉄に、新聞を持って乗っていた。向かいに座っていた若いラティーノ男性が「それ、電車に乗っている間だけ読ませて」と言う。「OK」と手渡すと、求人欄をチェックし始めた。目ぼしい仕事があったらしく、「ここだけ破ってもいいかな?」と聞く。OK、OK、面接がんばってね。



1/13
日曜の新聞。低所得者地区ではー16℃の夜に暖房が壊れていたアパートがたくさんあったと報じる記事。ニューヨークでは暖房設備は大家の義務だけれど、ケチな人非人がいるのだ。その一方で、超リッチな地区にある6億円のマンションの広告。その両方をコーヒー片手に読む中流層な私。



1/14
午後、ブロンクスに向かう地下鉄内で4人のラティーノ高校生が楽しそうに話をしていた。マリリン・マンソンを聴いていそうな黒いマニキュアの(でも垢抜けない)女の子2人と、ゲイの男の子2人。女の子が冗談で中指を立てて「ファック・ユー!」と言ったら、男の子が「その言葉は君らしくないね」とたしなめた。



1/15
ハーレムで買い物中、若い男がすれ違いざまに「結婚してるの?」と訊いてきた。苦労してナンパした揚げ句にドタンバで「私、結婚してるから」とフラれる手間を省くためか、はたまた既婚女性をナンパしてダンナに殴られた経験でもあるのか。「イエス」と答えたらあっさり引き下がったので、こちらもラクでよかったけど。



1/16
昨日に続いてナンパネタ。時々、ティーンエイジャーみたいな男の子に「ヘイ、ベイビー」と声を掛けられる。そのたびに「あんたこそ、私のベイビーでもおかしくない年齢よ」と、声には出さないけれど思う。こちらでは母親はいくつになっても、息子を「ベイビー」と呼ぶ。40歳でも50歳でも永遠に。



1/17
今夜もー16℃なんだけど、積もった雪の上を強風が吹き荒れているので体感気温は、なんとー30℃だそうな。そんなわけで、ハーレムのアフリカンダンス教室も今日はお休み。室内で踊るんだから外気温は関係ないとはいえ、やはりアフリカンダンスっていう気分にはなれないか。



1/18
19日は「キング牧師デー」で、2月は「ブラックヒストリー月間」なので、イベントフライヤーやら、黒人向けフリーペーパーやらにキング牧師の写真があふれている。肖像権もへったくれもない無法状態だ。未亡人のコレッタ・S・キングは今も現役で人権活動をしている人だけれど、それにしても寛大だと思う。



1/19
19日は「キング牧師デー」。教室の壁に貼るために、子どもたちにキング牧師の塗り絵をさせた。先生の「顔は茶色で塗りなさい」という指示を聞かずに真っ赤に塗った6歳の女の子がいた。「できたよ!」という女の子に、先生は「家に持って帰っていいわよ」と言った。壁には貼ってもらえないのだ。



1/20
ピンポーンの音に応えてドアを開けると宅配便。配達人は若い黒人男性。小柄でメガネで、なんだか文系な感じ。わたしが受け取り書類にサインしながら「サンキュー」というと、彼もほほ笑みながら、でも伏し目がちに「サンキュー」。配達人にはマッチョ系黒人が多いから、みょうに新鮮だった。また来てね。



1/22
ハーレムにある創立35年の老舗カラテ道場がテレビCMを流しはじめた。4枚重ねの板を割ろうと苦闘する黒人少年。その傍らにひざまずき、「集中するんだ」とはげますヒゲ面のセンセイ。なんだか棒読みだと思ったら、役者じゃなくて本物の道場主。沖縄・剛柔流カラテの達人だそうだ。



1/23
ブッシュ大統領は一般教書演説で各項目にどれくらいの分量を割いたか。戦争&国土安全保障38%、教育14%、健康10%、麻薬7%、性と結婚6%、経済5%、移民3%…。そうかぁ、移民と経済は「どうでもいいけど、入れておかないとマズい」から? 不法移民への「あと3年間だけ米国に居ていいよ恩赦」もなんだかなぁ。



1/27
まだまだ氷点下続きのニューヨーク。本日のNYタイムズでは、屋台で働いている人(つまり一日中、屋外にいるってこと!)がインタビューされていた。イブラヒムというイスラム名を持つ黒人男性。奥さんはアラスカ出身のエスキモーなので「防寒のしかたを教えてくれるんだ」そうだ。



1/28
大統領選のアイオワ州予備選で負けたディーン候補が演説中に絶叫。その演説はキング牧師の有名な演説「アイ・ハブ・ア・ドリーム」になぞらえて「アイ・ハブ・ア・スクリーム(叫び)」と名づけられた。その演説のリミックスが作られてるけど、これは米大統領選が政治というより単なるお祭り騒ぎだということの証拠かも。



1/29
ハーレムでドラッグを売っていたふたつのグループが一斉検挙された。ひとつはストーンという名の男が仕切る「ストーン・クルー」というグループ。もうひとつは49歳のメアリー・マクリーと、そのふたりの息子が率いる「マクリー・ファミリー」。いやはや、ハーレムのおばさん、やはりコワイです。



1/30
バスに乗ったら定期券が期限切れ。乗車賃2ドルは小銭でしか払えないのに紙幣しか持っていなかった。私と運転手とのやりとりを見ていた男性がポケットから小銭を出してくれた。1ドル札2枚と両替するも15セント足りなかった。でもブレイズの女性運転手は「それでいいわよ」と乗せてくれた。ありがとう。



1/31
ジェームズ・ブラウン(70歳)がまた逮捕された。今回は4人目の妻(33歳)への暴行。「腕とヒップに擦り傷とアザ」って、暴力夫を擁護するわけじゃないけど、JBがどんな人間か知ってて結婚したわけでしょうが。それはともかく、この写真はすごい。





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