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2004/05/01


ハーレム mini ジャーナル
-2004年4月-

4/2
ハーレムの託児所にて。11歳のヘスースが「今日はサインの日だよ」と言いながらやってきた。「先生全員にボクのサインを配っているんだ」と、サイン色紙(?)をくれた。彼はささいなことですぐ感情的になり、他の子とうまくやれない。だからせめて先生とは仲良くなりたいと思って、彼なりに頑張っているのだろう。



4/5
「サタデーナイトライブ」に、レゲエの大御所トゥーツ&メイタルズ、Pファンクのブーツィー・コリンズ、コンシャス・ヒップホップのザ・ルーツ、オルタナブルース界の星ベン・ハーパーが集ってジャム! 笑えたのは、それをゲストの大富豪ドナルド・トランプが紹介したこと。トランプは誰のことも知らなかったと思うが。



4/7
ハーレム148丁目にアフリカンレストランがある。観光客向けではなく、西アフリカ移民の集いの場。そのガラス扉に10センチ角のステッカーが貼ってある。さわやかなスマイルのアフリカン男性の顔のアップに、彼の名前と年齢(37歳) ただ、それだけ。ステッカーの意図は一体何なのだろう。



4/9
ポンティアックのCMにPファンクマスターことブーツィー・コリンズが出演中。赤い車にラメの衣装と星形サングラスが映えてます。おまけに 「Very Very Funky!!」というナレーションの声はサミュエル・L・ジャクソンではありませんか。……ジャクソンにとってはほんの小遣い稼ぎだろうけれど、ブーツィーは再露出に必死?



4/12
今、春休みの子ども向け映画が花盛りで、『ジョンソン一家の休暇』なる映画を見た。父(セドリック・ザ・エンターテイナー)、母(ヴァネッサ・ウィリアムズ)、長男(バウワウ)、長女(ソランジュ=ビヨンセの妹)が南部の実家に出掛けるドタバタコメディ。すべてのブラックムービーが面白いわけではないことを証明。爆睡。



4/14
黒人の女の子の名前がゴージャズなことは何度か書いたけれど、いよいよ真打ち登場。うちの親戚の子が連れてきた友だち(11歳)の名前はなんと『テンペスト』! 「嵐」「暴風雨」という意味で、シェークスピアの作品名でもある。本人は、出されたアイスクリームの器とスプーンを自分で洗ってしまう良い子でしたが。



4/19
人気コメディアン、クリス・ロックが4年ぶりのスタンダップショーを大敢行。「マイケルはクレイジーで、ジャネットも頭おかしい」と言いたい放題。実はモラル派な彼のポイントは「45歳の男が子どもに手を出すな」「40歳の女がチチなんか見せるな」でしたが。本人は「39歳だ。『ニュージャックシティ』出演は昔の話」と。



4/21
ついに初夏の陽気となったニューヨーク。天気の良さに浮かれて、うっかり携帯を家に置き忘れた。仕方なくハーレム120丁目辺りで公衆電話へ向かうと、ものすごくコワイ顔したおじさんが急接近。「一体なんなんだ?」といぶかる私に「その電話、壊れてるぜ」。ハーレムって良いでしょ。



4/23
地下鉄の中で自分の前に立った男性が、長いドレッドロック、ニッ
トのカラフルな帽子、ネイビーブルーの軍人ジャケット、白いニッ
カボッカズボン、赤いロングブーツ、そして黒いアタッシェケース
を持っていたらどう思う? なおかつ、その男性が自分の横に座っ
た時、爽やかなアフターシェーブローションの香りがしたら?



4/23
デンゼル・ワシントンの新作映画『Man on Fire』をハーレムの映画館で観た。「え?デンゼルがこんなことを?」と意表をつく苛烈な暴力描写の連続で、客席からは「オー!シット!(なんてこったい!)」の声が何回も漏れる。けれど最後は泣かせる終わり方になっていて、映画館を出る時はみんな沈黙。←ハーレムじゃ珍しい現象。



4/28
ハーレムの本屋で高価な黒人史の本を買おうとしているR下院議員を見かけた。ハーレム在住、30年のキャリアがある大物議員で、クリントン前大統領のマブダチ(死語)。この人、うちの近所に住んでいるので時々見掛けるのだけれど、なぜだかいつもくたびれたスーツを着ている。地位&お金のある黒人って普通はハデ好きなのにね。



4/30
ハーレム随一のゲットーエリアも再開発中。新築マンションが建設されたり、新しい店がオープンしたりで、開発業者らしき人たちを見かける。が、しかし、ユダヤ教徒(黒い帽子と縦ロール)と、シーク教徒(頭にターバンを巻いたインド人)が商談しているのには驚いた。ここはハーレムよ。





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