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2005/05/09


ハーレム mini ジャーナル
-2005年4月-
4/4
アリシア・キーズがAIDSテスト・キャンペーンCMに出演中。「今、あなたが寝ている相手が感染していて、彼はそれを知らないかも。一緒にテストを受けて」←説得力満点。今、恋人や夫からHIVを移される黒人女性が急増中なのだ。それに比べて男性バージョンのCM。スヌープに「テスト受けろよな」とか言われても。



4/6
ハーレムもすっかり春だから、路上人口がふたたび急増。大人たちはアパート入り口の階段に座っておしゃべりに夢中で、日暮れ後いつまで経っても帰らないし、子供たちはその周りを走り回って遊んでるし。夏になると、これが真夜中まで続くのだ。良くも悪くも、これがハーレムの文化と伝統。



4/8
ハーレムには誰でも知っている路上セレブが何人かいる。その一人がミスター・フリルだ。サテン生地のフリルや造花をたくさん付けた、ステージ衣装のような服と帽子で歩き回っている中年男性。そのミスター・フリルも春到来に合わせ、白い衣装に衣替え。



4/11
家でテレビを見ていると、ドクターペッパーの新製品チェリーバニラ味のCMが流れた。夫「おいしそうだな」 私「……そういえば、プレーン・ヨーグルトを買ってあるよ」 夫「そんなの甘くないから食べたくない」 黒人には糖尿病が多いけれど、夫は検査でネガティブと出て以後、すっかりいい気になって糖分取り放題。



4/13
ハーレムのストリートにて。前方から少し足の悪い男性がやってくる。いや、なんだか具合が悪そうだ。友人らしき男性に支えられ、苦しそうに歩いている。ところがすれ違った時にこちらを見て「Hi、元気?」 女性を見たら、とにかく声をかけろの信念。



4/18
ハーレムのアパートのエレベーターにて、スーツケースを持った若い女性と、おじいさんの会話。「旅行かい?」「ボストンでカンファレンスがあって、それが終わったら休暇でニューオリンズに行くの」
「ニューオリンズ? ボクの故郷だよ!」
これだけなんだけど、なんだか良い感じ。



4/20
ハーレムのアパート地下のランドロマットにて、ブラに関する2件

黒いサテンのブラ(ワイヤー入り)、アニマル柄パンティ、ジーンズを一緒に洗濯機に突っ込むシスタあり。ブラのワイヤーが歪むじゃないか。

私の隣人ジョンが、洗い終えた洗濯物をカートに山盛りにしてエレーべーターに向かった。そのてっぺんにあったのは、ジョンの恋人のブラ(ベージュ)。いいのか、それ。




4/22
近所のスーパーで働くアフリカ人男性。うちの親戚の子がジュースのビンを落として割った時に「気にしなくていいから」と掃除してくれた。以来、買い物のたびに挨拶をしているのだけれど、先日「君、結婚してるの?」「あ、そうなの。残念だな」「じゃ、またね」と返してきた。時間と労力のムダを省くための事前確認だ。それ以後も、相変わらずニコニコと手を振ってくれるけれど。



4/29
ハーレムのアフリカ生地屋にイカした爺さんがいた。アフリカの民族衣装を着て、アフリカ製の木彫りのイスに座って、なんとiPodのホイールを回している。グリオ(アフリカの語り部)だと言うから「あなたの語りを聞くことは出来る?」と聞いたら「ビデオが出てるよ」と言いつつ、iPodに取り込んだ写真を見せてくれた。


撮影:M. Kanda






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